任意売却と競売の違い

任意売却とは、債務者（住宅ローンの返済のため、自宅を売却する側）が、債権者（住宅ローンの貸し手）と合意の上で、自らの意思で自宅を売却する手続きのことです。任意売却では、売却価格や具体的な方法を債務者及び代理人となる任意売却の専門業者と債権者が話し合いで決めて双方で合意します。

競売とは、裁判所によって、債務者の所有する不動産を強制的に売却する手続きのことです。競売では、売却価格は入札によって決定され、最高額で入札した人が落札者となります。売却金は家の持ち主には還元されず、全て債権者への返済に充てられます。また家は新たな所有者のものになり、前の所有者（家を売った人）は即時退去となります。

任意売却と競売のどちらを選ぶかは、以下の点を考慮して決めるとよいでしょう。ただし結論としては競売には百害あって一利なしと言えます。

• 売却価格：
  任意売却では、市場価格に近い価格で売却できる可能性があります。一方、競売では、市場価格の70％程度で売却されることが多いです。

• 時間：
  任意売却では、売却に6〜12ヶ月程度かかることがあります。一方、競売では裁判所の指定に従う必要があり、結果的に全てを失いますが、早ければ1〜2ヶ月で売却されることもあります。

• 希望通りの売却：
  任意売却では、売却価格や売却のタイミング、条件などを、双方で話し合って決めることができます。一方競売では裁判所が定めた条件で家は売却され、家の所有者への売却金の還元はありません。

任意売却を検討している場合は、任意売却のデメリットを含めたすべての状況を理解するため、任意売却の専門家に相談することをおすすめします。専門家は、任意売却の流れや手続き、売却価格の相場などを把握しており、最適な方法を提案してくれるでしょう。